2010年08月15日

20万円を超えるカセットデッキが十数機種も売られていた時代があった

今、多くの人が、録音という操作をしないと思います・・録音ではなく取り込みとかリッピングという操作になるのかな・・・パソコンでCDのファイルを直接デジタル音楽プレーヤー用の圧縮ファイルにすることが多いのではと思います。

しかし、デジタル音楽プレーヤーがまだ無く、パソコンの性能が低かった昔は、多くの人がカセットデッキを使って録音していました・・

特に、以前のFM放送はNHKも民放も音楽はフルコーラス流すので、多くの方が、FMを受信して、その音楽をカセットに録音するということをしていました・・FMを録音することをエアチェックなどと呼んでいました・・

それで、高価なカセットデッキやFMチューナーが多数販売されていた時代があったのです・・

カセットデッキなど、今では2〜3万円の物しかないですが・・かつては10万円クラスはまだ中級機・・20万円を超える物も多々ありました。





カセットは、構造上、精度を高めるのが難しく、そのため、精度を高め高音質で記録できるデッキはどうしても高価になっていたのです・・

55万円のカセットデッキ、ナカミチ1000ZXLこのカタログは、主にカセットデッキを主力商品としていたナカミチの、最高級機・・1000ZXL・・

お値段は、メーカー希望価格で55万円・・・まさに、超弩級・・・

今なら、この値段でカセットデッキを買う人がいるだろうか??・・恐らく、一部のマニアにしか売れないと思います。


そして、FMチューナーも多様な機種が販売されていました・・こちらも、値段の高い物は10万円を超えていました・・たかがFMを受信するチューナーです・・

しかし、値段の高い物は、ノイズが少なくひずみも少ないので、結構売れていました。もちろん、FMチューナーの性能を十分に引き出すためには屋外にアンテナをたてる必要がありますが・・この頃は、FMアンテナを取り付ける方も多かった・・

30万円のFM専用チューナー・ケンウッドL-02Tケンウッドというメーカーは今でもありますが・・この頃の主力商品はチューナーでした・・

その中でも超弩級・30万円のチューナーL-02Tです・・

FM専用チューナーでAMを聞くことはできません・・しかも、選局するときは、チューニングのつまみを回すのです・・そう、アナログ式の選局方式でした。

L-02Tの仕様、S/N比はステレオで88dBモノラルで98dBこのチューナーが発売されたとき、放送局の機材の質まで分かると言われ、これ以上高音質のチューナーはもう出ないだろうと言われたものです・・

仕様を見ると、信号とノイズの大きさの違いS/N比はステレオで88dBとCDプレーヤーに迫る値です・・モノラルなら98dBにも達します。

そして、周波数特性・・つまり、何Hzから何Hzまでの音が出るかの項目には15Hz〜15KHzと記載されています・・あれ、20KHzまで出ないの??と言われそうですが・・FMの信号には19KHzに左右の音を分離するための信号が入っており、19KHzのこの信号音は出さないように設計しないといけません・・それで、高い音は大半のFMチューナーで15KHzまでなのです・・しかし、15KHzまででも、CDの音とあまり違いはないです。


現在使っている22年前のカセットデッキA&D GX-9100私が最初に使ったカセットデッキはすでに故障してありませんが・・

現在使っているカセットデッキはこのデッキ、A&DのGX-Z9100です・・当初は友人が使っていましたが、新しいカセットデッキを買ったときに私に譲ってくれました・・

ただ、不調箇所があり、修理してから使うことになったけど、まさか、今でも使うことになるとは思っていませんでした・・発売からすでに22年・・カセットデッキはゴム系の部品が多数使われており、よい状態で使うなら2〜3年おきにゴム系の部品の交換と、メカの調整、注油をしないといけません・・

しかし、5年以上前ににそのメンテをお願いしに出したら、すでに部品が無いので何も直せないということで戻ってきました・・ゆえに、その3年前くらいの修理が最後の修理・・それ以来、ゴム系の部品は劣化していると思いますが、今のところ、問題なく動いています・・

しかし、老朽化の影響は出ています・・切り替えスイッチなどが一度押すだけでは切り替わらない・・つまり接触不良になっていたりするのです・・

このカセットデッキより新しいデッキもあるけど、先に、そちらの方が不調になり、ついでに、メーカーが部品がないというので、新しい方が先にきれいな音で再生できなくなりました・・やはり、アモルファスヘッドは寿命が短いです(苦笑)

それに対し、22年前のこのデッキはヘッドにフェライトが使われており、非常に硬度が高く、それをガラスで一体化する技術を使っており、長寿命が売りのヘッドです・・確かに22年経過してもヘッドは特に問題ないです。

以前からFMでカセットに録音している人は、カセットデッキが少なくなっている現状を考えて、デジタル化したいと思っている方が多いと思います・・もちろん、私もその一人です・・中にはMDが出たときにMDでデジタル化した方もいるかもですが、カセットより先にMDが消えそうな状況・・MDに残すは残念無念・・もういちどやり直す必要がありそうです・・

となれば、パソコンに直接取り込んで、音声編集ソフトで、ノイズなどをカットして、レベルの違いなどをきれいにそろえて、CD-Rに書き込んだり、編集したファイルから圧縮音源にする等の手を使うのがよいかと思います・・

ただ、たくさん録音されている方は、カセットの本数も相当な数だと思います・・カセットデッキからパソコンに取り込む作業は時間がかかります・・そうなると、重要度でカセットをランク付けして、重要な方から先に取り込んでいくなどの工夫をするのがよいかと思っています。

kensan156m at 16:42│Comments(2)TrackBack(0) 音楽・オーディオ・ビデオ関係 

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この記事へのコメント

1. Posted by はやぶさ いさむ。♪   2010年08月15日 18:40
5 ナカミチのデッキは高いですよね。

でも、当時は音がいいと言われていました。
クルマのデッキでもナカミチは高かった。

チューナーも高くてエアチェックする人は
アンテナを立てたり高価なチューナーで
カセットに録音していました。
まだ、レコードのレンタルがあまりない時代でした。
CDが出た時、あのときは衝撃的でしたが
肝心の録音する機械がカセットデッキしかなくて
残念だったのを覚えています。
今もレコードやカセットを聴きますが、
落ち着いた音色のような気がします。不思議です。
2. Posted by けん   2010年08月15日 20:55
>はやぶさいさむさん
デジタル録音機が一般向けに出ていない時は、カセットで録音するしかなったですね・・それで、カセットテープも音質をアップした高性能カセットが各社から販売されていました。

そして、高級機をずらりと並べていたナカミチは憧れでもありました・・でも、とても手が届かなかったです。

CDが出た後も、しばらくカセットに対向できる録音機が出なかったので、CDをカセットに録音して、ポータブルカセットプレーヤー(いわゆるウォークマン)で聞いていましたね。

次世代カセットとしてDATが開発され各社から発売されましたが、CDからデジタル録音できないという初代機のデメリットが引っかかり、あまり売れなかったですね・・だから、DATが出ても、ずっとカセットが売れていました。

本格的にカセットの対抗馬になったのがMDだったと思います。DATは結局主流になることなく、数年前に機材は生産終了・・DATのテープははまだ生産販売されているけどね・・

そして、日本では録音機材の主流になったMDも、今では風前の灯火・・・(汗)それで、MDに録音した音楽を、どうやって他のメディアに移行させようかと多くの方が悩んでいるようです。

アナログの方が落ち着いた音がするという感想は、私も全く同感です・・同じ音源でもCDとカセットではカセットの方が自然な音が出るので驚いたことがあります。

といっても、そのカセットはメタルテープで、特別な機材を使ってテープに記録しているものだけどね・・

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