2009年07月25日

ハイビジョン画質でも

今の家庭用パソコンの多くにDVDドライブが搭載され、DVDの再生が可能となっています。そして、DVDの信号をデコード(元の映像に戻す)したり、画質最適化を行う機能がGPU(グラフィックチップ(チップセット内蔵も含む))に搭載されています。

それにより、CPUに負担をかけずDVDの映像をパソコンで視聴できるわけですが・・実は、以前の記事で画質がGPU(チップセット内蔵も含む)によって異なることを書いたことがあります・・

その時の参考リンク先を再掲載します・・

参考記事

これによると、同じように画質最適化を行ってくれると思っていたら実は違い、概ね画質はATI製のGPUがNVIDIA製のGPUより優れているという結果でした・・

普通の雑誌の記事やネットの記事には、NVIDIA対ATIとなれば、3D表示性能の対決ばかりで、3Dゲームをあまりしない私には、読んでも自分には益になる情報が少ない・・それより、画質はどちらがよいのか・・それはよく知りたい・・でも、ほとんど、そういう情報が無いのです・・

実際に、リンク先の記事も古めである・・・




さて・・最近になってパソコンの性能が大幅に向上・・店頭にならんでいる家庭用パソコンを見ていると、最初からブルーレイドライブが搭載されていたり、地デジチューナーや衛星のデジタル放送のチューナーが内蔵されたパソコンも目立つようになってきました・・

ブルーレイでもデジタル放送でもハイビジョンが扱われます・・

しかし、ハイビジョンのデコードには高性能CPUでも、特に支援がなければ、100%近く能力を使わないといけない・・・DVDのデコードよりさらに処理は重たいのです。(なお4コアCPUの場合、CPU使用率30〜40%でデコード可能らしい)

そこで、GPUにも、ハイビジョン対応のデコーダーや画質最適化機能が搭載されるようになりました・・最近ではチップセット内蔵のグラフィックスでもハイビジョン対応だったりするので驚きます・・

ただ、画質に関する記事は皆無・・厳密にテストした記事は無いものかと思っていました・・

すると、古本屋で少し前の本に、実際にテストした記事が掲載されていました・・ただ、テスト結果は1ページ分程度しか掲載されておらず、あまり重視されていないようです・・

その記事をコピペしたらいけないので、結果だけ書けば、NVIDIAのPureVideoHD(2世代目の)を使うと、細かい線がつぶれて真っ白になったり真っ黒になるとか、情報の欠落が認められたが、ATIのAvivoHD(UVD)の場合、それらの現象は無く、画質はATIの方がよい・・ただ、NVIDIAもドライバの改善などでこれらの現象を直せるかもしれないと書いてありました・・

まあ、どちらが優秀かははっきりと書いて無く、ドライバが変われば優劣が逆になるかもしれないといった書き方でしたが、そこに掲載されていた再生画像はATIの方が通常のブルーレイ再生機と大差ない状態でした。

つまり、テスト時点でATIは通常のブルーレイ再生機並みになっているがNVIDIAはそこまで達していないというのは事実のようです。

なお、インテル製のチップセット内蔵グラフィックスについてはNVIDIA対ATIという記事の趣旨上、扱っていませんでした・・それで、最も多くのパソコンが利用していると思われるインテル製チップセット内蔵グラフィックスのハイビジョン画質は、どれくらいなのか分かりません。

その記事でも、3D表示能力の違いの説明が主で、画質評価はちょっとだけ書いてある程度でした・・・

なお、ATIのGPUがハイビジョンの著作権保護をする暗号鍵をGPUに内蔵しているのに対し、NVIDIAは外付けのチップにそれを入れるようになっており、外付けのチップを省略すると、ハイビジョン映像をディスプレイに出力できないことになります。

このあたりでも、映像再生にどれくらい力を入れているか違いが垣間見えます。

なお、NVIDIAの場合GeForce6シリーズからPureVideoが搭載され、GeForce7シリーズではハードウェアで担当する部分を大幅に増やしているので、CPUの性能が十分であればGeForce7シリーズでもハイビジョン再生が可能な場合があります・・そして、GeForce8シリーズ以後、ハイビジョン対応となっています・・

ATIの場合は、以前からDVDの高画質再生に積極的でしたが・・・RadeonX1000シリーズの一部でハイビジョンの再生が可能となり、RadeonHD2000シリーズ以後が正式にハイビジョン対応となっています。

なお、画質の場合、それを視聴する方の好みもあるので、テスト結果がよい方が必ずしも好まれるとは限らないことも気をつけないといけません・・また再生ソフトの出来も影響します。


よく、画質はディスプレイが左右すると仰る方もいます・・それもその通りですが・・道路と同じで、いくら広い高速道路を整備しても、途中に狭い区間があると、その狭い区間の通行量で全体の通行量が概ね決まります・・このようにシステムで最も性能が低く全体の性能を引っ張る部分をボトルネックと呼びますが・・

いくらよい画面を用意してもGPUがボトルネックになる可能性も考慮する必要があります。最近は自作の場合、3D表示性能を欲張らなければ、安価でハイビジョン対応のグラフィックボードを入手できます・・ただ、ノートパソコンでは、それができませんが(苦笑)

ノートパソコンの場合、液晶画面も一緒になっているので、画面を取り替えるわけにもいきません・・そして、多くはインテル製チップセット内蔵グラフィックスですが・・外部GPUの場合大半がNVIDIA製が採用されており、ATI製は少数派です・・つまり、ユーザーにあまり選択肢が無いという状況です。

著作権保護対応のデジタルのディスプレイ出力端子があれば、よいディスプレイをつなぐことはできますが、GPUを変更することはほぼ不可能です。せいぜい、再生ソフトを変更できる程度です。



パソコンの場合、自分のシステムのどこがボトルネックになっているか把握して、そこを改善するのが最も効果的な性能向上の方法です・・

例えば、10年前の父のPCの場合、ハードディスクを高速で読み書きできるSSDと取り替えても、それ以外のチップセット、メモリ、システムバス、CPU等の方がボトルネックとなっており、SSDにしても少し速くなる程度と考えられます。

ただ、外部とのインターフェースがUSB1.1だったのを増設PCカードでUSB2.0にしたら、DVDとの転送速度が大幅に速くなりDVDの視聴が可能となりました・・つまりUSB1.1は10年前の父のPCでも、性能向上のネックとなっていたようです(苦笑)

kensan156m at 18:16│Comments(0)TrackBack(0) 電気・通信・PC等 | 音楽・オーディオ・ビデオ関係

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