2007年09月16日

マイキット

マイキット150この写真を見ただけで、何か分かる人は、恐らく私より年上の方がほとんどだと思います。

最近は、復刻版も出たようですが・・これは復刻版ではなく、昔、親からプレゼントしてもらったものです・・・マイキットと言います。扱いはおもちゃですが、電気関係の実験をするおもちゃなのです。

誕生日が近いので、けんさんの趣味のルーツをちょっとたどってみます。

私は変わった子だったようで、おもちゃも、このような電子実験できるおもちゃをねだったようです。

親も、困ったでしょうね・・子どもにこのような物を買い与えて、すぐにあきるのではないかとか・・すぐに壊すのではないだろうか・・ついでにいえば、マイキットは比較的値段の高いおもちゃでした・・

ただ、当時は、同じメーカーが出していた電子ブロックの方が人気があったようです・・こちらも復刻版が出ましたね・・




このマイキット、現在も完全に動作します。ダメになった部品は私が大人になったときに、パーツショップで買って付け替えました。

というか、当時のマイキットを持っているというだけで、ある程度年齢が推定可能になるけどね(爆)

マイキット150・内部マイキットはノートPCのように蓋を開くと、中に電子部品が勢揃いしています。それぞれの端子をスプリング式の端子に接続して、簡単に電線(リード線)で回路を組めるようにしてあるおもちゃです。

これをつなぎ替えることにより、発振器になったり、簡易アンプになったり、ワイヤレスマイクになったり、ラジオになったり、コンピュータの基本的な理論回路になったりしました・・

マイキット150と名付けられていますが、この150というのは、説明書に掲載された回路が150あるというだけで、個人的に回路図を書いて組むのは自由ですから・・150以上の回路が組める、私にとって面白いおもちゃでした・・

私は、学校で電気や電子工学を習ったことはありません・・せいぜい、中学の時のレベルです・・それ以上の基礎知識は、実は、このマイキットで身につけたのです。

だから、アンプが故障したときに、蓋を開けて半田ごてで直しましたが、100Vの線と、音声が流れている線を見分けることがある程度できるのも、これのおかげです。

パソコンに興味を持つ原点も恐らくここにあると思います。マイキットでは遊ぶには自分で回路を組まなければいけません・・・だから、パソコンも自分でプログラムを組みました・・サイトもメモ帳みたいな物でタグを自分で組んでいます。あの頃の自分で組むというスタイルが・・今も受け継がれているわけです。

もし、家にノートPCじゃないといけないという制限がなければ、デスクトップPCを自分で組んだでしょう・・・というか、PCの改造をしてしまうのも、結局、原点はマイキットだと思います。

マイキット・説明書これが、説明書です・・小学生高学年なら分かる内容になっていますが・・・なにしろ、まだ漢字もよく分からないときに買ってもらったので、回路図の下に書いてある線をつなぐ順番の通りに線をつなぎました・・

おもちゃなのに立派な説明書がある・・・今ではゲーム機などがそうでしょうか?ただ、ゲーム機が基本的に消費するだけのおもちゃであるのに対し、マイキットや電子ブロックといったおもちゃは、自分から作らなければ遊べないおもちゃで・・また、自由に回路を組める応用性も持っています。

あの頃は、皆、プラモデルを作っていたような時代です・・つまり、あの頃のおもちゃは、自分で作ることが前提だったんです・・・最初から完成している品は高価であり、同じ戦車の模型でも、完成品より、プラモデルの方が安価でした・・

今の子どもに、当時のおもちゃが受け入れられるか・・・・恐らく、面倒だといって途中で投げ出すでしょう・・・

まだ、マイキットは甥っ子には見せていませんが・・・すでに、PCをいじるようになっているので、マイキットが面白いとは感じないでしょう(苦笑)

基本的なラジオの回路の説明基本的なラジオ回路の説明と回路図・・・けんさんは、複雑でなければ回路図は読めます・・それは、やはりマイキットをいじっていたからだと思います。

ここではトランジスタ1石の回路が掲載されていますが、今時どんな安物でも、トランジスタ1石のラジオなんて無いと思います。

ただ、これを組んでラジオの音がイヤホンから小さく聞こえたときは感動しました。

高周波回路、検波回路、低周波回路全てを2SA型のトランジスタが受け持っています。マイキット150では、最高6石くらいの回路までラジオが組めるようになっていました・・6石だとスピーカーから音声が出せるほど感度や出力もアップします。

なお、現在のラジオは、回路を全てICにまとめており、トランジスタをICの中にいくつ使ってあるかと言えば・・・何百とか何千というレベルらしいです・・

コンピュータの論理回路の説明これは、コンピュータの基本的な論理回路の説明です・・AND回路、OR回路、NOT回路等々・・

実は、パソコンのCPUの中がどうなっているかといえば、このような基本的な回路が何千万も組み合わされているのです・・それで、複雑な処理や演算、さらに、それを高速で実行する能力があるわけです。

小学生の低学年の時から図書室入り浸りだった、けんさん、当然読めなくてもコンピュータについて書いてある本を読みました・・最初の純電子式のコンピュータであるエニアックには真空管が1万8千本も使われていて重さ30トンもあったことを知ったときには、とうてい、家庭にコンピュータが入ってくるとは思わなかったものです。

ところが、真空管→トランジスタ→IC→LSIとコンピュータを構成する素子が小型化し省電力化されると、小学校高学年の頃には、アメリカから輸入されたというパソコン(当時はマイコンと呼んだ)手に入れたクラスメートがいて、押しかけましたよ(爆)

小学生なのに、プログラムのことを教えてもらったらさっそく組み始めました・・しかし、途中で見知らぬ表示が・・・知人が、メモリが足らないという意味だと教えてくれました・・

そう、メインメモリは2KBしかなかったんですね・・・そのパソコンではプログラムが少し長くなればメモリ不足になったのです・・・

今では、一昔前の汎用機並みの性能のパソコンが普通に電気店やPCショップに並んでいます。そのパソコンには、すでに、いろんなソフトやツールが用意されており、あえて下手なプログラムを組む必要は無くなりました。


小さいときに買ってもらったマイキット、電気関係の趣味にのめり込む第一歩だったと思います・・・それと、同時に、今の子ども達にも、ゲームなんかより、こんなおもちゃで遊んで欲しいなと思います。

kensan156m at 16:25│TrackBack(0) 電気・通信・PC等 | 個人的な話

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この記事へのコメント

1. Posted by max長瀬   2007年09月16日 17:07
電子ブロックの記憶はありますが、これは初めてです。

パーツを組み替えることによって いろんな物に変身できる。
すごい羨ましかった というか、お金にうるさい我家では手に届く代物ではなかったけど、(苦笑)

でも 良く考えると、自作PCって ベクトル的には同じ方向のような…
2. Posted by けん   2007年09月16日 18:17
>max長瀬さん
電子ブロックが流行っていた頃、マイキットも販売されていました。

今では子どもに高価なおもちゃやゲームを買い与えるような世の中になりましたが・・・あの当時は、おもちゃといえば、数百円止まり、数千円するマイキットを私が欲しがるからと言って、すぐには買ってくれなかったです。

結果的には、ものすごく長い期間使うことになったので、あの時の親の判断はよかったのだと思います・・写真で、リード線が中に入っているのが見えたと思いますが、現在も時々回路を組んでテストすることがあります。

仰るとおり、何かを造り出すという点で、自作PCと同じベクトルの物です。

今は、作ることが遊びであるおもちゃは少なくなりました・・今の子どもに、何かを作る楽しみを伝えることができないかなと思います。
3. Posted by max長瀬   2007年09月16日 18:48
電子ブロックも 当時にしては、そうとう高価なキットだったような…

というか 今はゲームが主流で、強いていえば受身の世界です。
今日 理系人間が減ってる我が国ですが、こういう自分で作り上げるといったシチュエーションは必要ではないでしょうか?

机上の論理ではなく、じっさいやってみてどうだ! ということが大切だと思います。

PS.今日は麻生太郎氏の影響が…(激謎)
4. Posted by けん   2007年09月16日 20:01
電子ブロックもマイキットもいくつかグレードがあって・・安価な物が3〜4千円・・高い物は1万円を超えたと記憶しています。

仰るとおり、多くの子どもが受け身の遊びしかしなくなっています。
物を作る楽しさ・・そういう体験は重要だと思います・・さらに、好奇心でいろんな回路を組める電子ブロックやマイキットは、今の子どもに遊んで欲しいおもちゃだと感じます。

大人が復刻版を見て懐かしくて買うというパターンが多いそうですが、もし、お子様がいる方なら、子どもに自由に使わせて、ゲームとはまた違うおもしろさを発見して欲しいです。

ちなみに、けんさん・・・電子工学は机上の理論はよく分かりません(爆)・・でも、適当に回路図を書いたら、ちゃんと動作することがあります(爆)
5. Posted by らぶ   2007年09月16日 20:03
私の家では、学研の科学シリーズを購読してまして、
毎月の付録を組み立てたり、実験したりしていくうち、
気が付いたときには算数・科学・工作が大好きな子供になってましたw


時には、親父が電子キットを買ってくれて、
それを組み立てるのが楽しくて仕方なかったです。
(不器用なので半田は苦手ですがw)


マイキット系列は触ったことありませんね。
買って貰ったとしても、すぐに壊してたと思うw
6. Posted by max長瀬   2007年09月16日 20:15
たしかに いろんなバージョンがあったような気がします。
金持ちのボッチャンは、やっぱり上級グレードを選ぶんだろうな…

というか、買いたくなってきた。(笑)

PS.懐古主義ですかねぇ〜
MSXとか、おもいっきり そうかも?(笑)
7. Posted by R‐157   2007年09月16日 20:24
マイキットや電子ブロック・・・初めて知って、驚きました。もし、私が操作していたのならば、成功していたかどうかも分かりません。家電品の簡単な調整ならば、よく行っていますが・・・

今の子供がゲーム漬けとなっているこのご時世、実践してみる事こそが必要なのかも知れませんね。何でも受け身のままでは、成長はありませんよ。

子供の頃、自分は工作は得意な方でしたが(プラモや模型には熱中しました。鉄道模型ならば、改造が得意です)、これを持っていたら・・・案外上手くいっていたのでしょうか。
8. Posted by けん   2007年09月16日 21:07
>らぶさん
私も小学生の頃は、学研の科学と学習を買ってもらっていました・・ただ、付録が目当てだったりします(爆)

マイキットは、分からない間は、説明書に書いてある順番にリード線をつなげば回路ができるので、壊してしまう心配はないと思います。

ちなみに、私も半田は苦手です(苦笑)・・半田で基板の上にお団子を作るのが得意だったりします(爆)
9. Posted by けん   2007年09月16日 21:09
>max長瀬さん
欲しくなれば、今なら復刻版があるかも(謎の誘惑)

というか、最近のおもちゃに、電子ブロックやマイキットのような物が無いですね・・・最近の子どもは興味を示さないのでしょうか(苦笑)

ちなみに、東芝製MSXなら動作する状態で家にあります(爆)
10. Posted by けん   2007年09月16日 21:13
>R−157さん
これは、あくまで小学生程度の子ども向きのおもちゃですので・・(今は無いけどね(苦笑))
説明書通りに組めば、いろんな回路ができます・・だから、最初は難しいことは考えずに順番につないでいくだけですよ。だから、R−157さんでも使えたと思います。

何かを作り出す楽しさや、受動的な遊びじゃなく、アクティブに体験する遊びも重要だと感じます。

ちなみに、私も、プラモデルをたくさん作りました・・・ただ、プラモデルの欠点は、遊びに使うとあまり長持ちしない・・それで、子どもの時に作ったプラモデルは一つしか残っていません(涙)