2006年03月14日

こんなことを言われる方が多いのか・・

ダム日和様のブログの3月12日の記事に温井ダムの話がのっていて・・最近でも、温井ダムをキーワードにアクセスしてくる人が多いと書いてあるので・・
検索サイトを使って、温井ダムについて皆さんがどのように書いてあるか調べていました・・
(暇人だからできることか・・O>-<ばたっ!!)

本当は、こんなことは、あまり書きたくないのです・・特に、コメントとして議論を書き込まれても・・・・・私自身、ダム関係者ではないですし、単に、ダムの写真を写すのが好きだったのが、エスカレートしてダムの見学などをして勉強しているだけですから・・それ以上でもそれ以下でもありません。それゆえ、議論を持ち込まれてもお返事できません、悪しからずご了承下さい・・

いろいろ見ていると、予想通りで、誤解に基づく物が多かったです・・
例えば、あるブログを読んでいると、そこの管理人は川の防災情報を見ていたそうで、温井ダムの貯水率が洪水前に100%近くあったので、毎秒400トンの放流せざるを得なかったのだと書いてあり、温井ダムがあまり役に立たないと書いてあった・・

この記事の場合、温井ダムの貯水率100%とは、どういう意味か誤解されている。直前の貯水率が100%近かったので、洪水を貯める余裕がなかったかのような書き方をされています。

はたして、これは事実なのか・・100%とは、一番上のゲートまで水が貯まった状態なのか・・・実はそうではない・・温井ダムの貯水率100%というのは、洪水期制限水位(夏期制限水位とも言う)に対する貯水率で、100%になっても、まだ一番上のゲートまで概ね4000万トンの水を貯める余裕があります。

ダムについて、何か書くとか、意見を言われるなら、こういった基本的な情報を理解した上で書いて欲しいものだと思います。ダムの基本的な事柄について、あまりにも勉強不足の人が多いと感じます・・まあ、ダムの勉強をしても、受験の問題で出るわけではないし、知らなくても不自由はないでしょう・・ただ、ダムは社会を支えるインフラという側面があります。

あるダムマニアの方が、一度、1年か2年くらい、国内全てのダムの機能を止めてみたら、どれくらいダムが必要だったか身にしみるくらい分かることになるんだけどな・・なんてぼやいていたけど・・それくらい、日常生活に欠かせない存在なんです。

電気は頻繁に停電するでしょう、蛇口をひねっても水が出ない時が一年に何度もあるかもしれません。都心部が冠水することが年に何度か起きるきるかもしれません・・地下鉄や地下街が水没するかもしれません・・

ダムの基本的な知識をお持ちでない方が多いこの頃・・ある意味、あやふやな知識と伝聞情報で、ダムは無駄とか、ダムは全然役になっていないじゃないかとか・・ダムを造っても3年から10年で砂で埋まる、水力発電で使った水は電気にかわって消える・・なんてことが、まこと事実のように言われる世の中になってしまいました。

マスコミも、そんな報道が多くて、本当に調べ尽くして報道しているのか??って思うことも時々あります。ついでに、世の中の何事でも、賛成のスタンスでの報道を行うマスコミと、反対のスタンスで報道を行うマスコミがあり、両方の意見があるから健全的だと感じますが・・こと、ダムに関しては、ほとんど全てのマスコミから、悪者扱いされているように感じます・・どこか1社でも、そうじゃない報道をしてくれないと・・これでは、暗黒の時代になってしまいますよ・・

実は、例の台風の時、滝山川上流でも相当の降水が想定されていました・・温井ダムが運用開始してから、最大級の流入があるかもしれないと備えていたそうです。それで、規則で定められている通り毎秒400トンの放流を行ったわけです。想定通りなら、この後、大量の水が温井ダムに流入し、貯水率は洪水期制限水位からすると130%とか150%といった100%オーバーの貯水率になるはずだった・・

毎秒400トンの放流というのは、実は、下流が十分安全な水量なのである。下流の整備ができたら、毎秒1100トンの放流を行うことになっているくらいである。

幸か不幸か・・滝山川流域では、予想外に早く雨がやんでしまった・・滝山川流域で、比較的早く雨がやんだことは、不幸中の幸いでしょう・・しかし、温井ダムがたいした仕事をしていないではないかと言われる口実になってしまいました・・

ちなみに、その時の雨は、太田川本流より南側で多く降っており、吉和川水系や水内川水系や吉山川水系で、大量の降雨があり、この流域では堤防が壊れたり、川幅が大幅に広くなってしまったり、甚大な影響が出ています。

そういった、太田川流域全体でこの問題を考える視点が必要だと個人的には思います。何度か書きましたが、太田川の洪水対策は、温井ダムの完成で完結したわけではありません・・実は、まだ整備途上なのです・・

そして、十分な洪水防御を行うためには、最低限、吉和郷ダムは必要ではないでしょうか・・それと、国土交通省では、他にもダムの必要性を考えており、現実に、どの支流に設置するか検討されているようですが・・何分、ダムに対して強い逆風が吹いているのが現状・・どのダムも建設は困難を極めるのではないかと感じます。

kensan156m at 14:22│TrackBack(0) ダム関係 

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