2006年02月11日

DAT製造中止

世界初のDATDATと言っても、あまり知らない方が多いかもしれません。カセットテープにかわるデジタルテープレコーダーとして、業界まとまって規格化され、発売されたものです。DATのカセットは通常のカセットテープよりかなり小型で、標準で120分の録音ができました。
量子化ビット数16ビット直線、サンプリング周波数は48KHz、44.1KHz、32KHzから選べられるようになっていた。つまり、CDと全く同等というか、それ以上の情報量を持っていました。

上の写真は、1987年に世界で初めて発売されたDAT・・AIWAが一号機だったんですよ・・その、DATですが・・最後まで製造していたSONYが、昨年の12月で、製造をやめたそうです・・
つまるところ、DATを持っている人は一大事・・今後は持っているデッキが故障して、修理が無理になると、DATに録音した音楽の再生は無理になります・・

DATは、次世代カセットとして、オーディオ業界もユーザーも期待していたのですが・・発売前にレコード業界から横やりが入り、CDからのデジタルコピーはできない仕様に変更されたました。これがDAT不振の大きな原因になった・・
今までのカセットテープのようにアナログでつなげば録音できたし、カセットより高音質だったけど・・DATはCDの録音ができないという間違った認識が広まり、あまり売れなかったんです・・

ただ、放送局などでは導入が進んだ・・また、個人でもFMから録音する人たちには支持されていた・・

DATが発表される前、オーディオ業界は、DATが出たらカセットから移行するということで、その頃のカセットデッキは、メーカーの技術の集大成と言った感じの高性能なデッキが多かった、それらのデッキを継続販売して、以後のカセットデッキの開発はやめるつもりだったと、某メーカーから聞いたことがある・・

しかし、いざ、蓋を開けると、DATは全く売れない・・それで、再び、カセットデッキの開発が行われ、カセットハーフの振動を止めるスタビライザー搭載したり、ドルビーSを搭載したり、バイアス周波数を大幅にアップさせて、高域特性をよくしたり・・ちょうど、この頃のカセットデッキが、値段の割には高性能な物が多かった。

DATを普及させるには、CDからのデジタルダビングが必要ということで、1990年頃にSCMSという方式のコピーガードを導入、一世代までなら、デジタルダビングができるようになった・・しかし、これも販売増に直結せず・・

そして、1992年頃、DCCとMDという全く違うデジタルレコーダーが出てきた・・両者とも、CDの情報量を1/4〜1/5に圧縮させる仕様になっていた・・初代機は、圧縮のせいか、音質はイマイチだったように覚えている・・

このDCCとMDの発売で、何故か、DATが売れ出す・・つまり、圧縮無しで録音できるという点が見直された・・でも、DATの値段は非常に高いままで・・そのうち、DCCは消えたものの、MDは安価になり、圧縮のアルゴリズムも改良され、TYPE−Rが搭載された頃には、音質的な問題は気が付かないレベルになりました・・MDがユーザーに受け入れらると・・DATを買う人は一部のマニアだけになった・・

私も、無理して、DATのデッキを買った人間です・・FMからの録音が比較的多かったので、120分という録音時間は魅力的でした、ついでに、16ビットリニアですから・・また、私が買った頃は、放送局等で業務用として使われているので、大丈夫だと考えている人が多かっんです・・
今なら、こんなお金の使い方はしないと思います(爆)

最後のDATそして、これが、最後のDAT・・・最後の機種はポータブルタイプだったんですね・・デッキタイプはすでに1年前くらいに製造をやめたらしく、生録する人向けに、ポータブルタイプが細々と販売されていたんです・・

今では、MP3形式のファイルを、メモリやハードディスクに入れて再生するプレーヤーがブレイク・・正直、MP3なんて、音が悪くて嫌になるのですが、高音質という路線は今後無くなっていくのかな・・・一方、CD−Rが普及し、高音質が必要なら、PCでコピー(これは録音とは言えないと思う)すれば、圧縮無しで記録できるようになった。

現在、最も高音質で録音できるのはオーディオ用CD−Rレコーダーだと思う・・PC内蔵タイプは、多少音質が落ちると言われている・・

なんて思っていたら、超弩級の録音機があった・・記録型DVDに音楽を録音するレコーダーがあるという、音質は、CDをはるかに超えて、スーパーオーディオCDと同等だという・・でも、値段が20万円(高すぎ!!)・・ついでに、一社しか発売していない・・

音質を追究するなら、それを買う人もいるかもしれない・・でも、そのデッキを作ってくれなくなると、いずれ再生もできなくなる・・今、最も安心できるのは、CDフォーマットで記録する方法だろう・・つまりCD−Rの類・・

DATに録ってある音楽を、CD−Rに録音しなおさないと・・・つうか、DATは120分とか90分なんだけど、CD−Rは80分止まり・・面倒だなぁ・・
O>-<ばたっ!!

kensan156m at 20:50│TrackBack(0) 音楽・オーディオ・ビデオ関係 

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この記事へのコメント

1. Posted by max長瀬   2006年02月11日 21:51
DAT。
当時はCD並(以上?)のクオリティーということで話題になったんですよね。
でも おおせのとおりデジタルコピーが出来ないということで…
今ではPCさえあれば簡単にコピー出来てしまうのに。

私の場合 職業柄 べつの用途でDATに世話になってますけどね。(謎)
2. Posted by けん   2006年02月12日 12:35
>max長瀬さん
DATのクォリティはCDを超えていましたね・・特に、SBM搭載機や98KHzのハイサンプリング機がなどは、すごかったです・・
98KHzのハイサンプリング機は、テープを2倍速で回すので60分しか録音できないし、対応機種でしか再生できないので、それで録音したテープを持っている方は、デッキが無くなるということは私より深刻かもしれません・・

けんのDATはSBM搭載機で20ビット程度の記録能力があり、ついでに、他の普通のDATデッキで再生互換性があります。これから、CD−Rに落とすとなると、音が悪くなることを割り切る必要があるなぁ・・

ちなみに、DATは音楽関係だけでなく、データ記録用媒体としても使われていますよね・・別の用途って・・それですか??
3. Posted by max長瀬   2006年02月12日 21:18
はい。
おおせのとおり データ記録でメディアのほうを使っています。

医用画像診断支援ソリューション[PACS]では、その日の画像データを曜日ごとにバックアップしてるんですが、それにDATを使っています。

PS.それなりのクオリティーを追求しないならMP3でもいいかもしれません。
私的には、レコードやテープのアナログクオリティーも情緒あっていいと思います。
4. Posted by けん   2006年02月13日 20:13
データ用のDATテープを見たことあるから・・音楽とは関係ない分野でも使われているんだって・・思ったことがあります。

ちなみに、アナログの音・・うまくチューニングすれば、デジタルと大差ない音が出ます。それゆえ、MP3など、圧縮がかかったデジタルプレーヤーの音はなかなか慣れないです、PCで何度か試したけど・・結局MDの圧縮率より圧縮すると、元の音と違う・・

それと、MP3を聴くのために、ヘッドフォンに高級機を使う人がいるけど、個人的にはあまり意味無いなぁって思っています。
5. Posted by max長瀬   2006年02月13日 21:10
最近はDATからDVD−RAMに移行してきますね。
ドライブが汚れると読めないどころか、テープが物理的に壊れてしまいますから。

MP3聴くためのヘッドフォンですが、初めについてくるものがあまりよくないものもあります。
私の場合 ソニー製に変えることでかなりの音質向上がみられましたよ。
6. Posted by けん   2006年02月13日 23:23
ポータブルプレーヤーに付属してくるヘッドフォン、確かに、イマイチな物が多いですね・・テープの時もMDの時も・・付属ヘッドフォンって、おまけで付いている感じの物が多かったですね。

それと、ヘッドフォンは・・必ずしも値段が高い物が音がいいわけでないですね・・安い物でもよい音が出る物があって驚いたことがあります。つまり、その逆もありました・・O>-<ばたっ!!